生まれつき持っている脳の性質・機能・発達に偏りがあることによって起こる、言語や行動・情緒などの特性を「発達障害」といいます。大きく下の3つのタイプに分けられます。
・自閉スペクトラム症(ASD)*
・注意欠如多動症(ADHD)
・学習障害・限局性学習症(LD・SLD)
*以前は、自閉症・アスペルガー症候群といった診断名が使用されていました。
アメリカ精神医学会のDSM-5第5版(2013)以降、障害の度合いに関わらず連続した(スペクトラム)障害である、という見解に統一されています。
本人の努力不足や、家族の関わり方が原因で引き起こされる障害ではありません。独特な認知・感覚をもっているため、周囲はそれらを正しく理解してあげつつ、社会適応できる より良い発達へと導いてあげる必要があります。
「脳の機能障害」ゆえ、本人の意思で適切に判断・行動できないことが多くみられます。脳機能を正しく発達させてあげることにより、情報キャッチ・運動出力がスムーズになっていきます。
乳児期の「原始反射」が適切に組替えられていないことも、特異な行動の原因です。発達段階に応じた体全体のトレーニングに並行して取り組むことにより、言葉の学習が進みます。
一つの特性が目立つからと言って、そこに特化しすぎた療育課題は子どもの発達にとって望ましくありません。
認知と体の発達、生活スタイル、周囲の関わり方…これらすべてが合わさった結果として、
「ルーティン行動」
「人間関係の難しさ」
「パニック」
「他傷・自傷」などの問題が起こっているからです。
”発達障害は認知の障害”ともといわれます。
ご本人の認知段階・認知傾向を正しく把握してあげることが、療育プログラムづくりに大切だと考えています。