着席姿勢と体幹支持 ー学習できる体をつくるためにすること

【発達支援】と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか?

「言葉が理解できるように」「作業課題をふやそう」「ソーシャルスキルの練習も」といった取り組みが、書籍でもインターネットでも たくさん紹介されています。

 

しかし、子どもの学ぶ基礎が整った状態 でなければ、どんな指導法も教材も 良い発達につなげることができません。

発達支援コーチ・灰谷孝氏の言葉を拝借して進めると

 

脳が身体の真ん中を把握している

身体の左右が別々に使える

その動きが統合している

 

この3つが自然にできるようになって初めて、人間の脳として学習する土台ができたと言えるそうです。

「テーブルの無い所で座り、利き手に箸・補助手にお茶碗を持ち、食べることができるか?」が、わかりやすい基準として著書にて紹介されています。

 

ここで大切なことが

体幹支持 です。

体幹支持を強化させるためには、前回までにお話した【歩行】が一番おススメですが、座った姿勢でのキープ力UPのためには【正座】が有効です。

「え!正座を子どもにさせるの?」

「体罰みたいに思われないかな

と、不安を感じられるかもしれませんが、

厳しい修行” ”しつけとして ではなく

自分の体を正しく扱うための練習 として行いましょう。

 

正座ができないお子さんには、次のような特徴がみられます。

・各部位の 原始反射 が残存している

・筋緊張が弱く姿勢が崩れがち

・膝が開いたりトンビ座りになったりしがち

 

下肢の発達が不十分ですと、座った際に脚が乳児寄りのM型になりやすいです。

また、空間において頭部を正常な位置で保持するための 立ち直り反応&平衡反応 は、発達過程において 原始反射 と同時に存在せず、 前者の出現により後者が抑制されるというのが通説です。屈曲や連動動作の強いお子さんは、体幹バランスを保持することに、かなり苦労しているはずです。

 

きちんと正座ができると、このようになりますね。

・股を閉じて膝を揃えられる

・おへその下(東洋医学で丹田といわれる所)に自然に力が入る

 

→→姿勢が安定するので、物を集中して見られるようになります

下肢の筋肉が発達するので、大腿筋~尿道&肛門括約筋も発達し トイレトレーニングが進めやすくなりますよ

さあ、次回からは、座って伸ばす力についてご紹介していきます!

 

(参考:灰谷孝 著「人間脳を育てる」花風社、新田收 編「小児理学療法学」医歯薬出版)